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現実と夢が混在した心象風景を描くことで知られる画家・工藤麻紀子。その国内美術館での初個展「花が咲いて存在に気が付くみたいな」が平塚市美術館で開催されている。 色面による構成と装飾的な表現により、日常の生活を題材にした心象風景を描き続けてきた工藤。その身近な出来事に対する思いを作品に投影させる描き方は、制作初期から一貫したもの。作品の画面には普段の生活で見聞きしたもの、住む土地や記憶が一体となり、夢のなかのような混沌とした風景が広がっている。同時に、作品を見る人にとって、記憶にある風景や出来事を呼び覚ます、親密さとストーリー性も有している。 本展では、新作とインスタレーション作品を含む約120点により、工藤の現在までの活動を紹介。工藤の作品との出会いは、現代の絵画表現に馴染みのない人にとっても、イメージのなかに身をゆだねる楽しさや発見をともなう体験をもたらしてくれるだろう。